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ゼニスはなぜ「壊れやすい」「人気がない」と言われるのか鑑定士が出した結論とは?

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ZENITH(ゼニス)は独自のデザイン性が高く評価され、高級時計の話題になると必ず名前が挙がります。

しかしながら必ずしも良い評価ばかりではなく、一部では「壊れやすい」「人気がない」という否定的な意見もあるのです。

この意見に対して私は、名機を生み出しているゼニスの時計が本当に壊れやすいのか?と疑問に思いました。

なにしろゼニスのムーブメントは他社の高級時計にも採用されており、ロレックスのデイトナもゼニスのムーブメントをベースに調整したものを搭載していた事があるからです。

そこで私なりに考察した結果

 

ゼニスは壊しやすい時計

 

であるという結論に至りました。

壊れやすいのではなく、クオリティーの高さ故に壊しやすい時計なのです。

この記事を読めば

■ゼニスはなぜ壊れやすいと言われるのか

■人気がないのは本当なのか

について理解して頂く事ができます。

鑑定士目線で考察した結果、たどり着いた結論をお教えします。

ゼニスの時計に興味がある方は是非参考にして下さい。

 

 

まずはゼニスについて知ろう

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ゼニスは1865年にスイスで創立された腕時計メーカーで当時の社名は「Manufacture de montres」という社名でした。

マニュファクチュールという言葉をご存知ですか?

マニュファクチュールとは時計の業界用語の1つで、ムーブメントから自社一貫製造する時計メーカーを指す言葉です。

ゼニスは創業当初から全てを自社で製造するマニュファクチュールにこだわったメーカーです。

日本ではセイコーやシチズンがマニュファクチュールですが、元々腕時計はケースとムーブメントを別々の会社が製造するのが一般的でしたので、現在でも一部の限られたメーカーのみと言えます。

 

人気モデルをご紹介

ゼニスには「デファイ」「クロノマスター」「エリート」「パイロット」など数々の人気モデルがありますが、その中でも特に人気を博しているモデルが2種類あります。

それがクロノマスターデファイです。

この2つのモデルが一体どのようなモデルなのかご紹介致します。

 

クロノマスター

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出典:https://www.jw-oomiya.co.jp/brands/zenith/chronomaster-sport/03.3100.3600%EF%BC%8F69.M3100.html

 

1994年に発表されたクロノマスターには主に名機エルプリメロムーブメントが搭載されており、特徴的なインダイヤルが多くのゼニスファンを魅了しています。

写真のモデルは2021年に発表されたクロノマスタースポーツというモデルで、エルプリメロの最新機であるCal.3600が搭載された事や、デザインの良さが話題となり入手困難な状況が続いていたほどです。

特筆すべきはやはり従来のクロノマスターから大きくデザインを変えたベゼルです。

従来のクロノマスターの多くはアウターベゼルを持っておらず、タキメーターを文字盤の外周に備えていましたが、今作のクロノマスターはブラックセラミック製のベゼルが搭載された事で見た目のイメージを大幅に変更しました。

現代においてセラミック製ベゼルはそう珍しい物ではなくなってきましたが、ロレックスのデイトナとゼニスのクロノマスターにより一躍トレンドになったと言えるでしょう。

腕時計において最も傷が付きやすい箇所であるベゼルを、傷に強いセラミック素材を使用する事は理にかなっていますが、それだけではなく特有の光沢と高級感を感じる事ができるのもセラミックの魅力です。

さらにケース幅も約41mmと大きめなモデルのため、セラミックによりスタイリッシュさが増して使いやすいのではないかと思います。

もちろん見た目の進化だけではなくクロノグラフ機能にも秘密があり、10分の1秒という驚く程緻密な計測が可能となりました。

モダンで高級感のあるデザインにCal.3600という新ムーブメントを搭載したクロノマスターは、ゼニスのアイコンとして定着していくのではないでしょうか。

 

デファイ

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出典:https://www.jw-oomiya.co.jp/brands/zenith/defy/03.9300.3620%EF%BC%8F79.I001.html

 

デファイは多くのモデルが全面スケルトンという大胆なデザインから一躍有名になりました。

業界でも高く評価されているゼニスの高精度ムーブメントを裏表どちらからでも鑑賞する事ができます。

デファイは主に2種類のラインナップがありエルプリメロ21クラシックに分かれます。

エルプリメロ21はデファイにエルプリメロムーブメントを搭載したモデルで、超高精度クロノグラフ搭載モデルになります。

写真のデファイは「クラシック」にあたりますが、クラシックは一目でデファイと分かる挑戦的で革新的なデザインが特徴です。

エルプリメロ21に比べるとドレスウォッチという印象を与えてくれます。

ムーブメントは主にエリートという物が搭載されており、エルプリメロに比べるとリーズナブルでありながら十分な精度を誇るムーブメントになっています。

 

壊れやすいと言われる理由

冒頭でも述べたように、私はゼニスの時計が本当に壊れやすいのか疑問を抱きました。

むしろ壊れやすいはずがないとさえ思ったのです。

しかしながら実際に壊れやすいという意見があるのも事実です。

そこで私なりに考察した結果、壊れやすいというのは間違いであり正しくは「壊しやすい時計である」という結論に至りました。

ゼニスのエルプリメロムーブメントは特殊な部分が多いため、使い方も通常の時計とは異なります。

更には高精度であるが故の弱点もあるのです。

それではエルプリメロが何故壊れやすいと言われるのか、使い方と弱点について解説致します。

 

1.使い方が特殊である

エルプリメロは操作方法が特殊であるため誤った使い方をすると壊れてしまいます。

いつもの癖で他の腕時計と同じように操作してしまったり、使い方を知らずに操作してしまうとたった一度でも悲劇を生む可能性があります。

それではエルプリメロの使い方についてご説明します。

 

【一般的な時計の使用方法】

・リューズ1段階引いた状態=日付変更が可能

・リューズ2段階引いた状態=時刻変更可能

 

【エルプリメロ搭載モデル】

・リューズ1段階引いた状態=時刻変更可能

・リューズ2段階引いた状態=日付変更可能

 

ご覧のようにエルプリメロ搭載モデルと一般的な腕時計ではリューズの操作方法が全く違います。

ご自身の時計の操作方法に関してはご購入時にしっかりと聞くようにして下さい。

 

2.弱点がある

ハイビートと呼ばれるエルプリメロはテンプの振動数が「36,000振動」となっています。

これにより他のムーブメントと比較しても高い精度を実現しているのですが、その分だけパーツの摩耗や劣化を早めてしまうといった弱点が生まれてしまいます。

そのためテンプの振動数は一般的に「28,800振動」が多く、例えばロレックスの腕時計などもほとんどが28,800振動となっています。

もちろんゼニスは高い振動数にも耐えられるムーブメントを作っていますが、一般的なムーブメントと比較した場合は耐久性が弱点と言えるでしょう。

 

修理費用はいくら?

高精度なムーブメントほどメンテナンス費用や修理費用も高くなります。

過去に当店でもエルプリメロ搭載モデルをメーカーに修理に出した事がありますが、その際かかった費用はおよそ80,000円でした。

エルプリメロ搭載モデルを修理するのであれば、予算は50,000円~100,000円程と思っておいたほうが良さそうです。

 

リセールが悪いって本当?

ゼニスのリセール率は定価から計算するとおよそ40%~60%となる場合が多いです。

モデルや状態によって価格は変動しますので一概には言えませんが、ゼニスのリセールは決して悪くありません。

ではなぜリセールが悪いという意見があるのか、それは腕時計にはプレミアが付いている物も多いからです。

定価よりも高く売れる時計もあり、それらがメディアなどで取り上げられる事で話題となり、プレミアが付いていないモデルのリセールが悪く感じてしまうのでしょう。

しかし実際には40%~60%というリセールは決して悪くなく、ブライトリングやパネライなど高級時計の多くはこのあたりのリセール率に収まる場合が多いです。

また、時計は新品購入でも中古購入でも使用しているのであれば同等の査定を受ける事になります。

つまり中古で安く購入した場合、新品購入した場合よりもリセール率が高いケースもあるのです。

リセール率を上げたいのであれば中古購入もオススメできます。

 

ダサい?人気がないって本当?

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ゼニスは「ダサい」「人気がない」という意見もあるようですが、実際には人気が高いメーカーなのです。

ではなぜそのような意見が出てしまうのか、そこには中古市場が関係していると考えられます。

中古市場でゼニスの時計にプレミア価格が付いている事が少ないため、人気が無いから安く売られているといった印象になるのです。

もちろん人気の時計は中古市場でも高いはずだという考えに間違えはありませんが、実際にはロレックスのようなほぼ全てのモデルがプレミア価格で取引されているというのは極めて稀な例です。

ゼニスにも十分なリセール率があり、国内外問わず数々の有名人が愛用していますので確実に人気があるメーカーだと言えます。

 

ゼニスの魅力について

私が思うゼニスの魅力は、創立当初からマニファクチュールにこだわっている本物志向のメーカーである事です。

尚且つ他社を圧倒する挑戦的なデザインを作る事にも卓越しています。

また、芸能人やセレブの愛用者も多い事から知名度は高く、ビジネスシーンでの着用もオススメできます。

30代以降になると腕時計にステータス性も欲しいという方が多いので、特にゼニスのような高級時計に人気が集まっています。

クロノマスター、デファイ、エリートなどラインナップが豊富で選ぶ楽しみがあり、ワンランク上の金無垢モデルなどもしっかりと用意されています。

 

まとめ

今回はゼニスが壊れやすいという意見について解説しました。

壊れやすい時計なのではなく、使い方が特殊なため「壊しやすい時計」であるという事はご理解頂けたでしょうか?

また、人気がないという意見もありましたが、ゼニスのムーブメントはロレックスやウブロ、タグホイヤーそしてルイヴィトンなど数多くの高級機に搭載されており業界内でも定評があります。

日本国内でも芸能人が多く愛用していますので、とても人気が高いメーカーだと言えます。

ただし、何度も申し上げますが高精度で繊細なムーブメントを搭載している扱い方だけはご注意下さい。

 

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