皆様こんにちは！いつも当ブログをご覧いただきありがとうございます！かんてい局土浦店スタッフともだです！今回お買取させていただいたものはルイヴィトンのM51162、ミュルティプリ・シテになります。

当店では全力買取、即日査定をモットーにお客様皆様に丁寧なサービスを提供しています。今回のブログではお買取価格のほか、我々査定士が見るポイント、お品物を長く使い高く売るためのコツを紹介させていただきます！ぜひご一読していただければと思います。

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　「なんでこれ、廃盤にしたんだろう？」171年という長大な歴史を持つルイ・ヴィトンが手掛けた数々の作品の中でも、そんな声が今でも聞こえてくる作品ー、それが2003年に登場したMultipli-Cité（シテ・マルチプル）です。モノグラム柄という伝統を正当に踏襲しながらも、3つの外ポケットを前面に配置するという攻めのデザイン。ミレニアムと呼ばれた2000年代の幕開けに込めたLV社の挑戦を象徴する本作。今回はその魅力、ディテールへのこだわり、そして現在の評価に至るまでの歴史をご紹介します。

名前に込められた意味 – Multipli-Citéとは？

　“Multipli-Cité”という名前には、ちょっとした秘密が隠れています。これはフランス語の「複数（Multiples）」と「都市（Cité）」を組み合わせた造語で、直訳すると「都市の多面性」。都会を忙しく生きる人の多様性、無数の場面に寄り添うためのデザインなのです。その象徴ともいえるのが前面に配置された3つの立体ポケット。スマホ、鍵、パスケースなどをさっと取り出せるよう、それぞれが独立して設けられたこの構造はデザイン上のアクセントであると同時に、都市生活における「効率と分別」の体現でもあります。

2000年代初頭 – Y2Kという時代が生んだバッグ

　「シテ・マルチプル」が発売されたのは2003年。ちょうど”Y2Kファッション”と呼ばれるスタイルが話題を集めていた時期でした。ルイ・ヴィトンもY2Kの流れの中で「伝統×新しさ」の融合を意識。クラシックなモノグラムをそのままに、立体感と多機能性を加えた本作は”Y2K的ヴィトン”の黎明期を支えました。

📘【Y2K（ワイ・ツー・ケー）とは？】
「Year 2000」の略で、西暦2000年前後に流行した未来志向のファッションを指します。メタリック素材、大きめロゴ、構築的なシルエットーそれまでのクラシックから一転、テクノロジーや非日常を感じさせるデザインが注目されました。この潮流は現在の原宿や渋谷系に代表される若者ファッションが育つ土壌となりました。

ポストY2Kへ – 実用美へと進化したヴィトンの一歩

　2004年頃からは世の中のファッションも落ち着きを取り戻し、「派手さ」から「実用性と洗練」へと軸足を移します。この流れを「ポストY2K時代」と呼ぶこともあります。その中で「シテ・マルチプル」は、ロゴの華やかさを保ちつつも、内装や構造には控えめな美しさと現実的な利便性が光る、時代の転換点を象徴するバッグとなりました。以下に、利便性を支える同バッグのディテールを書きましたので、実物を見かける際、お手元に取られる際には是非ご着目ください。

✅ A4対応の大容量

現在の立ち位置 – “あの頃”を求めて

　一時代を飾った「シテ・マルチプル」といえど現在は既に廃盤モデル。現在、新品での購入は不可能です。しかし今、2000年代のファッションが再評価される潮流のなかで再びスポットライトが当たっています。中古市場では状態の良い個体が高額で取引されることも珍しくなく、特に前面に3つの独立ポケットという特徴的な顔を持つ本作には根強いファンが多く存在します。

まとめ – “都市を生きる”人のための、意味あるデザイン

　ブランドバッグに求められる要求がより高度に、複雑化する現在においても、「シテ・マルチプル」の「理由のあるつくり」、「つくり」における妥協を許さないLV社の哲学は不変です。見た目のインパクトだけでなく、都市生活における実用性、快適性、整理のしやすさ、そして2000年代というミレニアム世代を飾った当時のルイ・ヴィトンの面影。そのすべてが見事にバランスされた本作。もう新品では手に入らない。だからこそ、今、このバッグを手にする意味があるー。そんな名作を是非、かんてい局土浦店でご堪能ください。