ロシアのウクライナ侵攻が2024年2月24日でまもなく2年を迎えるが未だその出口が見えてこない。ウクライナ侵攻の結果、日本でも2022年4月19日からロシアに対する禁輸措置が実施され日ロ関係は悪化している。米国ではロシアの酒の代名詞ともいえるウオッカのボイコット運動も起きたというが今後ロシア、しいて言えばウォッカはどうなってしまうのか…この機会にウォッカを少し勉強してみようと思った。

ウォッカとは

ウォッカは、穀物やジャガイモなどの芋類を原料としたスピリッツ（蒸留酒）である。無色透明で、アルコール度数は40～60度と高いのが特徴。ウォッカは、原料を糖化、発酵、蒸留して作られる。作り方は比較的簡単で

1. 原料を粉砕し、お湯を加えて糖化。
2. 酵母を加えて発酵させ、アルコールを生成。
3. アルコールを蒸留して、ウォッカとなる。

ウォッカは実は原料や製法によって様々な種類があり、原料による種類としては

ライ麦▶辛口でスパイシーな味わい。小麦▶まろやかで口当たりが良い。ジャガイモ▶クセがなく飲みやすい。ブドウ▶甘味と酸味がある

製法による種類としては

単式蒸留▶風味豊かで個性的な味わい。連続蒸留▶クリアで雑味のない味わい。

飲み方

ウォッカは、ストレートやロックで飲む以外にも、カクテルのベースとしてよく使われる。代表的なウォッカカクテルは

• マティーニ
• カシスオレンジ
• ウォッカトニック
• スクリュードライバー
• ブラッディメアリーなどである。

豆知識

• ウォッカは、ロシア語で「生命の水」という意味。
• ウォッカは、世界中で愛飲されているスピリッツのひとつ。
• ウォッカは、医療用にも使用される。

歴史

ウォッカの起源は、9世紀頃にロシアとポーランドの間で争われている。どちらの国が最初にウォッカを造ったのかは明確ではないが、ロシアでは古くから穀物を発酵させてアルコール飲料を作っていた。14世紀には、ロシアの修道院でウォッカの本格的な生産が始まる。当時修道士たちは薬用や儀式用としてウォッカを造っていた。18世紀になるとロシア政府はウォッカの生産を国家事業として開始。政府はこれまでのウォッカ製造方法を厳しく規制し、品質を向上させた。19世紀になると、ウォッカはロシア国民の日常的な飲み物に。また、ロシア帝国の拡大とともに、ウォッカは世界中に広まった。

文化

ロシアにとってウォッカは、単なる飲み物ではなく、文化の一部と言われている。ロシア人は、ウォッカを祝宴や悲しみなど様々な場面で飲用する。またウォッカはロシアの伝統料理にも欠かせない。

1. ペリメニ

ペリメニ

ペリメニは、ロシア風の水餃子。肉や野菜を餡にした生地を茹でて作る。食べる時にはサワークリームやマヨネーズなどを添えて食べると旨い。ペリメニの作り方には、ウォッカを入れるレシピがあり、ウォッカを入れることで生地が破れにくくなり、モチモチとした食感になる。

2. ビーフストロガノフ

ビーフストロガノフ

我々にも馴染みのビーフストロガノフにも本場ではウォッカが使われる。牛肉と玉ねぎを炒めたロシア料理でサワークリームやデミグラスソースで味付けする。牛肉を炒める時にウォッカを入れることで、牛肉が柔らかくなり、風味豊かに仕上がる。

3. ビーツのスープ

ビーツのスープ

ビーツのスープは、ビーツを煮込んで作るロシア料理。サワークリームやヨーグルトなどを添えて食べる。ビーツを煮込む際ウォッカを入れることで、ビーツの土臭さが消え、味に深みが出る。

4. サーモンのマリネ

サーモンのマリネ

意外かもしれないがサーモンのマリネは、サーモンをウォッカに漬け込んだ料理でロシアにもある。ディルなどのハーブと一緒に漬け込むことで、爽やかな味わいに仕上がる。サーモンを漬け込む時にウォッカを入れることで、サーモンの臭みが消え、ふっくらとした食感になる。

ざっとこんな感じだろうか。

経済

ウォッカは、ロシアにとって重要な輸出品の一つである。その為ロシア産のウォッカは、世界中で販売されているが、このウクライナ侵攻で各国より輸出規制がかかり経済に大きなダメージを受けている。またロシア産ウォッカの販売停止により、消費者は代替品を探すようになった。

• ウクライナ産ウォッカ▶ウクライナ産のウォッカは、ロシア産ウォッカに比べて知名度が低かったが、侵攻をきっかけに注目されるようになった。
• その他の産地のウォッカ▶ポーランド産、スウェーデン産、アメリカ産などのウォッカが販売を伸ばしている。

ロシア政府は、ウォッカの輸出を促進するために、様々な政策を実施している。

まとめ

ロシアとウォッカは、長い歴史と深い文化的なつながりがあります。ウォッカは、ロシアにとって重要な経済的利益をもたらす輸出品でもある。

近年の経済制裁の影響でロシア産のウォッカの輸出は減少し、しいては消費者のウォッカ離れの危機に瀕している。