GUCCIの歴史【トム・フォードの革命と新しいグッチ(1990年代〜現在)】
皆さんこんにちは。かんてい局南高江店です。
今回はGUCCIの歴史3日目になります。
トム・フォードがもたらした“再生”
1994年、アメリカ人デザイナーのトム・フォードがクリエイティブ・ディレクターに就任。
彼は大胆にブランドを刷新し、これまでのクラシックな印象から一変、
洗練されたグッチへと生まれ変わらせました。
黒のスーツ、ベルベット素材、深いスリットなど、
当時のファッション界に衝撃を与えるスタイルを次々と発表。
その結果、売上は急上昇し、グッチは見事に復活を遂げます。
ケリンググループへの参加と安定成長
1999年、フランスの大手企業グループ「ケリング(旧PPR)」の傘下に入り、
経営は安定。グッチは世界的なブランド連合の中心として再び勢いを取り戻します。
この時期には、シンプルながらラグジュアリーなデザインが支持され、
「トム・フォード=グッチの黄金期」と言われるほどの人気を誇りました。
アレッサンドロ・ミケーレの“ロマンチック革命”
2015年、アレッサンドロ・ミケーレがディレクターに就任。
彼のグッチは、トム・フォード時代とはまったく異なる世界観でした。
アンティーク、ヴィンテージ、花や動物のモチーフを大胆に使い、
性別や時代にとらわれないジェンダーレスで詩的なスタイルを提案。
ファッションの新しい多様性を象徴するブランドへと進化します。
若い世代からの支持も厚く、「古くて新しいグッチ」が再び注目を集めました。
サバト・デ・サルノが描く“静かなグッチ”
2023年には新たなディレクター、サバト・デ・サルノが就任。
彼が打ち出すテーマは「クワイエット・ラグジュアリー(静かな上質)」。
派手さよりも、素材の良さやシルエットの美しさを大切にしたコレクションは、
グッチの原点でもある“本物の上質”を現代的に表現しています。
ブランドは今、次の100年に向けて新しい章を歩み始めています。
今回でグッチの歴史についてはおしまいです。
次回はブランドではなく別のものを取り上げます。
またよろしくお願いします。