ロレックスのダイバーズモデルというとサブマリーナの人気がダントツで、その上位モデルと位置付けられるシードゥエラーは、ディープシーが登場した事もあり、何となく陰に隠れたイメージでした。しかし、2017年 REF.126600の誕生で復活しました。

REF.16600

今回はシードゥエラーにスポットをあてて紹介致します。

シードゥエラーの誕生

1960年代、大深度潜水から浮上の際にRef.5513（サブマリーナ）に風防破損事故があったと、フランスで潜水調査会社を営む「COMEX（コメックス）社」の指摘を受けたことがきっかけとなりました。

問題の解決に当たり、同社の協力により考案されたのが、飽和潜水の浮上の際にヘリウムガスを自動排出するためのヘリウムエスケープバルブをケースサイドに設置するという結論に至りました。

そしてREF.5513をベースとした特殊モデルが1967年に開発されたのです。

それがコメックス社のダイバー専用に文字盤の中央にcomexと社名がプリントされたRef.5514（コメックスサブマリーナ）です。

そしてそれを基に一般販売用としてシードゥエラー（海の居住者）と命名してRef.1665が誕生したのです。

復活の126600

ダイバーズモデルとしては、サブマリーナデイトの上位モデルとして約4倍の防水性能を誇っていたシードゥエラーですが2008年に「ディープシー」が登場したことで打ち切られた状態でした。

つまりディープシーがシードゥエラーの後継機かと見る向きもあったのですが、2014年にシードゥエラーが突如として復活しました。

推測ではディープシーがオーバースペック過ぎて、価格面でも売り難かったという視点もあります。

復活したシードゥエラー4000には新たな特徴・技術が特になかった事、更に3年後の2017年には早々に「REF.126600」にリニューアルされているため、そのように推測されます。

ロレックスでこんな短期間でリニューアルされることは極めて稀な事からも先述の復活要因として推測されることになっているようです。

126600のリニューアル内容

◆サイクロップレンズ（日付を確認しやすくした拡大レンズ）が採用されたことです。

シードゥエラーは深海での視認性を重視して、あえてサイクロップレンズを採用していなかったのですが、ここにきて判読性を向上させたことで、普段使いは良くなったと言えます。

◆文字盤上の「SEA-DWELLER」がレッドプリント（赤文字表記）されました。これは一部の初代モデルにだけあったレア仕様であるため、コア層の支持がとても高いようです。

◆ケース径が3mmサイズアップして43mmとなりました（リューズは含みません）。

◆スポーツモデルで初の3200系キャリバーを搭載して性能・仕様が向上。

と言ったように、見た目も中身も旧モデルとは異なりました。

REF.126603

※ステンレス素材のみでしたが、2019年にはゴールドを使ったコンビタイプ「REF.126603」が登場。高級感溢れるモデルです。

人気のアンティークモデル

REF.16660

サブマリーナと違いシードゥエラーの歴代モデルは多くありません。そしてその中でアンティークと呼ばれるものはファーストモデルの「REF.1665」とセカンドモデルの「REF.16660」だけです。

中でも「1665」の通称「赤シード」と、「コメックスモデル」の2つです。

赤シード

当初「REF.1665」の文字盤にレッドプリントされたSEA-DWELLER。希少なのでプレミアになったのかと思われがちですが、こちらの製造は約7年間で、その後に製造された白文字が約4年ですので希少と言うポイントでは本来、白文字の方です。

注目された理由はスイスの時計専門のオークション会社である「アンティコルム」にあります。

アンティコルムは赤シードを「ダブルレッド」と呼んでマークⅠ～マークⅣに分類した結果、コレクターの人気を集める事になったのです。

◆マークⅠ　ガスエスケープバルブが特許申請中でしたので、裏蓋の刻印が「PATENT PENDING」となっています。

◆マークⅡ    特許承認後なので刻印は「ROLEX PATENT」。マークⅠとマークⅡだけケースがいくらか薄く、リューズガードの幅が狭くなっています。

◆マークⅢ　ここからケース厚が通常のシードゥエラーと同じになっています。リューズガードは狭いままです。

◆マークⅣ　リューズガード幅も通常と同じになりました。

因みに赤シードの相場は300万円程度かと思われます。

マニア垂涎のコメックスモデル

「comex」の文字が文字盤の中央に表示されているこのモデルは、1996年にコメックスが経営破綻するまでの間「REF.1665～REF.16600」の3世代に渡り、コメックス社専用に提供された物で、一般の社員ではなく関係者の一部に記念として配られたらしいです。

コメックスモデルの全ての裏蓋には、4桁の支給番号が刻印されていてファーストモデルのREF.1665の前期には「20××」、後期は「21××」。

セカンドモデルのREF.16660の前期は「30××」、後期は「31××」。

サードモデルのREF.16600の前期は「32××」、後期は「33××」とあります。

最後に

人気のサブマリーナであれば自店には

REF.116610LV（グリーンサブ）、REF.126613LB（青サブ）、REF.16616（コンビタイプ）、REF.16610（U番）とノンデイトのREF.14060

とあるのですがシードゥエラーは残念ながらありません。サブマリーナに押されがちで基本的に数が少ないので当然あまり世間に出回っていない訳です。

しかし別の見方をすれば中古市場の販売価格としてはサブマリーナに比べ低いので、いくらか手を出しやすくなっています。もし見かけた際は考慮の余地がありそうですね。

また買取市場的には、どの店舗も在庫として持ちたいのではないかと思われます。仮に当店にご持参下さいましたら頑張った査定額をお出し出来るはずですので是非ご来店下さい。お待ちしております。

 

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