2024/01/12スタッフブログ

ニッカウヰスキー、北国の生んだ個性的な味わい！

札幌市内の映像を見ると必ずと言っていいほど、小さめなグラスを持った赤い帽子の髭の男性がビルの壁面に映し出されていると思いませんか？

通称『髭のおじさん』と呼ばれるあの方誰かご存じでしょうか？

実はニッカウヰスキーのキャラクターなのですが、実在した「W.P.ローリー」という方で「キング・オブ・ブレンダーズ」と称されている伝説的な方です。

創始者である、竹鶴政孝氏（マッサン）の好みそうな人物像ですね。

今回は、『ニッカウヰスキー』についてのご案内です。

ニッカヒストリー

日本でウイスキー熱が高まった理由として、明治維新後の急速な近代化が挙げられます。国賓、外国の外交官などを接待する際の飲み物としての必要性があったためです。

当時ウイスキーは庶民の憧れであり、安い外国産の酒に着色し香料を加えた模造のウイスキーが売られていました。

その状況の中、大阪の摂津酒造が本格国産ウイスキーの製造に着手し、一人の若手技師を英国・スコットランドに派遣。その人物がのちにニッカウヰスキーの創業者となる竹鶴政孝氏でした。現地で大学に通った後、蒸留所で実習を積んでいた中で、リタさんと巡り合い２人は帰国します。

夢に向かって努力の日々の中、同様に国産ウイスキーの開発に情熱をかけた鳥井信治郎氏（のちのサントリーの創始者）と再会・決別することでさらに前進し、ウイスキー造りに適した気候と風土と確信した北海道の余市に蒸留所を建設し幾度の困難を乗り越え夢を叶える事となります。

現在は2001年にアサヒビールと営業統合し、販売はアサヒビールがおこなっています。

ニッカウヰスキーの創始者である、竹鶴政孝氏が日本でウイスキー造りをするために選んだ地は、北海道の札幌からやや離れた余市町です。

ここは海に近いため霧の発生しやすい土地であり、この湿潤かつ寒冷な気候が製造に最も適した環境になっているばかりでなく、余市川の有り余る水資源に加え、ピートや石炭なども入手しやすい環境にありました。

この蒸留所の最大の特徴は小型のストレート型ポットスチルによる石炭直火蒸留が行われているという事です。この蒸留方法は世界的にも珍しいものです。

直火による焦げが生む香ばしさ。そして、下向きラインアームを持つストレートヘッド型のポットスチルがアルコール以外の成分を様々に含んだ蒸気を通しやすいこと。

それにより力強いコクのある風味が生み出され、それが雪深い貯蔵庫で蓄積され、北国の力強さを持ったウイスキーが造り出されます。

余市蒸留所に次いで建てられた蒸留所は、東北宮城の仙台市にほど近く雄大な緑に囲まれ、蔵王連峰を源流とする広瀬川と新川（ニッカワ）の2つの清流にも恵まれた峡谷にあります。

候補地を探していた竹鶴氏は、持っていたブラックニッカを新川の水で割った水割りを飲んであまりの美味さに建設を即断したエピソードが残されています。

宮城峡蒸留所には余市蒸留所と異なる個性を持った原酒造りが求められ、加熱方法はスチームによる間接加熱で、蒸気間接加熱方式となっています。

ポットスチルの形状も胴体部分い丸い膨らみを持たせたバルジ型で、フルーティーで柔らかさが際立ち、ライトピースの余韻が残るウイスキーが造られています。

また、旧式で効率が良いとは言えませんがウイスキーの原料由来の成分が残りやすい、カフェ式連続式蒸留器を使うこだわりが、ニッカカフェモルトのような個性的なウイスキーも造り出しています。

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