腕時計オーバーホールの作業工程をご紹介!
機械式腕時計を一定期間使用していると、一見しては分からない汚れが隙間や内部にまで入り込んだり、錆が侵食していたりするかもしれません。それがやがて故障へと繋がってしまうことも。
そこで必要となるのがオーバーホール(以下O・H)。
メーカー様によって多少工程に違いはあるかも知れませんが、おおよそ同様の流れかと思われます。
今回は少々文章ばかりが続きますが、その過程をご案内していきますので是非御覧下さい。
チェックから修理
先ずは修理メニューを
O・Hに入る前段階として、その内容を踏まえて修理のメニューが練り上げられていきます。
過去に受けているのであれば、それも参考にされます。
コンディションをチェック
外装状態及び動作状況のチェック、加圧機を使っての防水機能確認などがなされます。
この時、O・Hだけでは対処出来ない故障個所が見つかったなら、別途料金が発生するため見積金額と修理内容を依頼者に連絡するようになります。
裏蓋を開けて分解へ
裏蓋を開けてケース内部からムーブメントを取り外し、分解作業に入り、自動巻きやクロノグラフごと等の機構ごとに順にばらしていきます。
針の取り外しの際はダイヤルを始め他の箇所にキズを付けない様に、ビニールを被せて慎重に行われます。
クリーニング
1.分解したムーブメントパーツは細かなネジも全て洗浄カゴに入れられるのですが、その役割やどこに使われているかなどによって分別されます。
2.パーツを入れた洗浄カゴは、専用の特殊な液が入った超音波洗浄器で自動洗浄されます。液と超音波洗浄のダブル洗浄で、劣化した油分やこびりついている金属粉などが落とされます。
また、洗浄器で落ちない様な汚れは部分的に手洗いする場合もあります。
3.超音波洗浄器には洗浄層がなんと3つもあり、各パーツは3段階で洗浄されたのち自動的に乾燥されます。
オイル注入
完全に乾燥された後は、パーツの組み立てとなるのですが、事前に専用のインジェクターを使って穴石などにオイルが入れられます。
インジェクターは1プッシュで適切なオイル量が出されるように調整されています。
振れ取り
時計の精度の為に重要なひげゼンマイとテンプはこの過程で調整されます。
専用の工具で挟み、ピンセットでテンプのバランスを調整するなどし、ひげゼンマイの歪みも細かく修正されます。
組み立て
組み立て
次は各パーツを元通りにしていく作業ですが、振れ取りしたテンプの組み込みは特に繊細な注意が必要です。
ムーブメントに組み込む際に、ひげゼンマイにほんの僅かな偏りが出る事がある為で、ピンセットを使って慎重に補正していきます。
歩度を調整
組んだムーブメントは6つの姿勢で歩度のチェックが行われます。
各メーカーそれぞれ規定があり、平均日差が規定内になる迄、調整されたのちにケースに収めます。
針の取り付け
ユーザー様が使用するにあたり、通常使用で針の外れが起こらないようしっかりムーブメントに固定するのですが、食い込みすぎる事のないよう微妙な加減が大変重要です。
その後再び歩度チェックをして調整されていきます。
研磨
ケースのバフ研磨
この過程はメーカーによるのですが、回転しているバフに外装を当てて、可能な限り全体のツヤを本来の状態に戻します。
これによってちょっとした浅めのキズが無くなります。
ベゼルの研磨
ケース部分でで目につきやすいのがガラス面との縁のところです。バフでの研磨の他に、ここには回転する円盤に貼り付けたラッピングペーパーで磨き上げていきます(ザラツ研磨)。
さらに最終的な仕上げにもう一度バフ研磨し、美しい状態を目指します。
ベルト研磨
金属のブレスレット部分の仕上げ加工です。
ここはミラー仕上げとマット仕上げが混在しているため、マスキングテープでしっかりと保護し、それぞれに応じた加工がなされます。
仕上げに向けて
ケーシング
ケーシングとは、ムーブメントや文字盤などをケースに組み付けることです。
さらにブレスレットを取り付け、ガラス面をはめたベゼルをケースにセットします。
パッキンの交換
ケーシングに際し、裏蓋・リューズなどにあるパッキン全てを新しいものと交換します。
これにより防水性がきちんと保たれて、ホコリ・湿気も封じます。
グリースを塗布
リューズはもっとも使用する箇所、つまり力が頻繁にかかるので、高い粘性を持ったシリコン系のグリースを塗布します。
穴石への注油と同じで量があらかじめ調整されたインジェクターが使われます。
精度チェック
ようやく精度チェックとなるのですが、裏蓋は仮締めの状態にし、実際の着用を想定して6姿勢で-○秒~+○○秒の精度が保たれているのか検査していきます。
再度ケーシング
精度が規定値の範囲であるところまで調整したら裏蓋は本締めされます。
緩んで湿気が侵入するようなことを防ぐため規定のトルク(トルクレンチ)でかっちりと締め付けます。
最終チェックへ
防水チェック
1.時計を密閉してエア加圧することでケースのひずみをチェックして気密状態を確認します。
2.さらに水中に入れて既定の水圧迄加圧し、一定に時間そのまま放置します。その後取り出して水の侵入が確認されたなら分解してやり直します。
3.今度は発熱板に平置きし60℃まで加熱し、スポイトでガラス面に水滴を垂らしてしばらくおきます。これでガラス内部が少しでも曇ったら防水不良と判断されます。
※異なる3つの防水チェックが行われるのは湿気が時計にとって大敵となるからです。
乾燥作業
防水チェックの跡はしっかりと乾燥作業をします。
最終チェック
拡大鏡を使って行います。
外装、リューズの動作具合、針のずれなど細部までもれなくチェックします。
これでやっと作業工程が終了です。
最後に
腕時計のO・Hって修理して、パーツを交換するくらいなのに何故こんなに高額になるんだろう?そう考えた方、御案内した内容を御覧いただけたなら、きっと修理代金に納得される事と思います。
冒頭に記したように、メーカー様による違いは若干あるかも知れませんが、細かく区分されたその流れは、おおまかには同様の内容でO・Hは進行するようです。
O・Hに出す機会は、一般的に異常が出てから対処される方が多いのですが、以上の出る前に定期的に受ける事はトラブルを未然に防ぎ、愛機と末永く付き合うための理想ですね。
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