先日、136660のDブルーを拝見する機会がありました。実物は初見でしたので密かに興奮してしまいました。

今回はロレックス シードゥエラーの進化系と言える ディープシーの3世代（116660・126660・136660）を独自解説してみますので最後までお読みいただけましたら幸いです。

名前の由来

1960年1月、潜水艇 バチスカーフ・トリエステ号が世界で最も深いと言うマリアナ海溝へ潜水。そして最深部、水深10,916メートル迄到達。

その際に観測室の外壁に取り付けたロレックスの試作モデルであった「ディープシー・スペシャル」から名付けられました。

116660

◆製造　2008年～2018年　※ロレックス初のチタン使用モデルとしてバーゼルワールドで発表

◆ケース径　44㎜（リューズは含んでいません）

◆防水　3,900m

●パワーリザーブは48時間

●耐食性に優れた分厚いステンレス素材、 スティール904Lを採用した堅牢なオイスターケース

●リングロックシステムによるケース構造が高い防水性を実現

これは以下の3つの構成部品により形成されます。

●5.5㎜のドーム型サファイアクリスタル風防

●3.28㎜のグレード5チタン製の裏蓋

●窒素合金製のセンターリングを内蔵したミドルケース

このシステムは水圧が高まる程、ケース内の異なる素材がお互いに締め付け合って気密性を高めて3,900ⅿの防水性が保持されています。また、さらに1.25倍の水深となる4,875ⅿ迄想定しテストがされています。

●グライドロックとフリップロックの2つの調整機構

●グライドロックエクステンションシステム

金具の上部を開くことにより2㎜刻みで最大20㎜迄延長出来ます

●フリップロックエクステンションリンク

バックル内に取り付けられたブレスレットに接続する2つ折りのリンク板

126660

◆製造　2018年～2021年　※初代誕生から10年を記念してリニューアル

◆ケース径　44㎜（リューズは含んでいません）

◆防水　3,900m

◆116660との相違点

●パワーリザーブが70時間になった

●分針が長くなり文字盤外周の目盛りに届くようになった

●ブレスレットのコマが若干拡大された

●ラグは先端に向けて細くシェイプされた

●ダイアルの6時方向に王冠マークが入った

136660

◆製造　2022年～

◆ケース径　44㎜（リューズは含んでいません）

◆防水　3,900m

◆126660との相違点

●ベゼルが若干細くなった

●日付窓が8％拡大され判読性が高まった

●裏蓋素材の変更　グレード5のチタンはRLXチタンへ

●フリップロックエクステンションリンクの廃止で、グライドロックエクステンションシステムのみとなった。

文字盤の色

カラーバリエーションは2つあります。

どちらの色も製造期や個体で、文字の書体やグラディエーションの違いがあります。

◆ブラックダイアル

オーソドックスな色で、あまり出回ってはいないようです。

文字盤の中央上側に白色でDEEPSEAとあります。

マークⅠ・マークⅡ・マークⅢと3タイプあり、それぞれ王冠マーク・「＝」の位置・書体などに違いがあります。

◆Dブルーダイアル

当初のディープシーは、ブラックダイアルのみでした。そしてシードゥエラーの3倍の防水性を確保するため大きくて重かったため一般には不人気で、そのテコ入れとして2014年に誕生しました。

●カラーイメージ

マリアナ海溝の鮮やかなブルーと、深海をイメージしたブラックによるグラディエーションを表しています。

●DEEPSEAの表記

文字盤の中央下側に緑色で DEEPSEAと表記されています。この緑色はディープシー・チャレンジャー号の船体色と同じライムグリーンを採用しました。

最後に

ご紹介しました3つの世代の他に特別なもう一つがありますのでそちらにも軽くふれておきます。

126067

こちらは2022年発表の「ディープシーチャレンジ」。防水性が11,000ⅿ。

防水性を重視したためデイト機能は非搭載、ケース径は50㎜、厚みは126660が約18㎜なのに対して約23㎜。

元々ディープシーチャレンジは「タイタニック」や「アバター」で有名な映画監督であると同時に探検家でもあった「ジェームス・キャメロン」が、2012年3月にディープ・チャレンジャー号でのマリアナ海溝最深部への単独到達に同行するため製作された記念モデルでした。

今回はその試作品をアップデートし、ロレックス初のフルチタンモデルとなっています。

以上、今回は季節的にもこれからの注目度があがるディープシーについてご紹介しました。

 

ロレックス人気はここ一年程停滞か下降気味の物が出ておりますが、まだ高騰を保っている物もあるようです。そして下がったという認識も実は本来の正常な値に戻りつつある、と言った方が妥当なようです。

それでもやはり「ロレックス」の中古市場は、売りても買い手も垂涎であることは確か。

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