スポーツ系ロレックスの中で、デイトナに勝るとも劣らない程のステータスを誇るGMTマスターⅡですが、今、その人気に火がついて入手しずらいモデルの上位にランクしています。

今回はその機能性や、スポーツタイプでありながらエレガントでラグジュアリーなジュビリーブレスも設定されている特別感、誕生秘話、当初不人気であった黒歴史？などいくつものエピソードをご紹介致しますので、どうぞお楽しみ下さいませ。

GMTマスターⅡとは

自分のいる国と時差のある国の2ヵ国を同時に表示

時差のある他国へ向かうに当たってまず行う事はというと、飛行機の中で時計を相手の国の時刻に合わせること！そういった方は多いのではないでしょうか？

頭の中で本国との時差を足したり引いたりしながら計算し、針を合わせる面倒には少なからず煩わしさを感じるものです。

そんな時、1つの時計で2つの国の時間が分かれば便利ですよね。

GMTマスターⅡは、まさにその為に開発された時計です。

GMTマスターⅡの歴史

1950年代に入り、時代は大型ジェット旅客機による国際線の航路開発がピークに向かい、それとともに航空時計の開発も各社で本格化していました。

しかし、ロレックスは過酷な環境下でプロが使用する事を想定して開発されたエクスプローラーやサブマリーナと異なり、航空時計の分野では後発であったため、世間に受け入れられる状況ではありませんでした。

そんな状況が一変したきっかけは、パイロット用腕時計の必要性を感じた「パン・アメリカン航空」からの開発依頼があった事で、これがGMTマスターⅡの歴史の始まりとなりました。

ロレックスは、複雑な表示や構造を求めず、シンプルに扱えることを優先課題とし、自国の時間とは別に、他国の現地時間も表示して読み取る事の出来る仕組みを追究することとなります。

試行錯誤の結果、1954年に1日24時間＝360度（1時間は15度）という、平均太陽時での時計と経度の関連性を基にそれを応用する方法にたどり着きました。

それは、ベゼル上に1～24迄目盛りを配することで、通常の時針・分針と連動しながらも、それとは別に、常にベゼル上の数字を指し示し、24時間で1周する副時針を設置した時計「GMTマスターⅡ」を、ついに発表するに至りました。

かつての不人気モデルが人気となったわけ

GMTマスターⅡは、ノーマルな黒ベゼルの他に、ひときわ目立つツートンカラーをラインナップ！といった他のラインにはない個性的な特徴を持ちながら、黒以外はなかなか人気の出ない状況のまま、2007年にセラミックベゼルのスチールモデルの登場とともに、赤黒・青黒のツートンベゼルは外れていったのです。

日本で不人気だった理由は何？

一言で言うのなら、そういった時代だったから。と言ってしまうのは強引かも知れませんが、実際の所、日本人の意識が大きな要因となっているようです。

かつて定番の黒ベゼルは、サブマリーナに似た感じでカッコ良いとか、シンプルさが好評の理由だったのですが、ツートンカラーである「赤黒ベゼル」や「赤青ベゼル」は、色合いが派手すぎるといった理由から敬遠され気味だったようです。

例えば2000年代の人気の色順は「黒ベゼル⇒赤黒ベゼル⇒赤青ベゼル」だったようで、当時の販売価格は30万台で買えたというような話があったとか！？

そんな状況が変わったのは、2018年にオールスチールモデルの「青赤ベゼル」の発表です。

さらにこのモデルには、現行のスポーツタイプでは唯一のジュビリーブレスレットが採用されるなど次世代タイプとして話題を集めた事により旧モデルも注目されました。

また、ハリウッド俳優などの海外セレブが付けていることもあって、以前は敬遠されたツートンベゼルが、現在の日本人の意識では、かっこ良いと変化した事も要因です。

GMTマスターⅡの使い方

行った先の国（現地）で使用するには

使い方は簡単で、以下の手順です。

例1）現在日本が午前10時で、日本よりマイナス8時間のスイスに行くためにどうするかで、ご案内致します。

①まず、時計の指し示している日本の現在時刻と、矢印型のGMT針が指しているベゼル上の数字が同じ時刻であることを確認します。

②次に、リューズを1段だけ引き出して、時針（短針）を反時計回りに8時間分戻せばスイス時間に設定され、現地での時間は、通常のベンツ針で見る事が出来ます。

この場合は午前2時を指していますね、そして日本の時間はGMT針で示した時刻（午前10時）となるわけです。

例2）次は現在日本が午前10時で、日本より2時間早い時差の国に行くためにどうするかで、ご案内致します。

①上記と同様にまず、時計の指し示している日本の現在時刻と、矢印型のGMT針が指しているベゼル上の数字が同じ時刻であることを確認します。

②次に、リューズを1段だけ引き出して、時針（短針）を時計回りに2時間分進めれば、行った先の国時間に設定されますので、現地での時間は、通常のベンツ針で見る事が出来ます。

この場合は午後12時を指していますね、そして日本の時間はGMT針で示した時刻（午前10時）となります。

日本にいながら他国の時間を知りたいなら

例3）現在日本が午前10時で、ベトナムの現在時刻を知りたいとします。

ベトナムは日本より2時間遅い時差です。

①先の2つと同様にまず、時計の指し示している日本の現在時刻と、矢印型のGMT針が指しているベゼル上の数字が同じ時刻であることを確認します。

②今度はベゼルを動かして確認します。ベトナムは2時間遅いので、ベゼルを時計回りに2時間進めれば、GMT針は午前8時を示します。

上記モデルについてはコチラをご覧下さい。

最後に

いかがでしたか？

昔は派手な見た目が敬遠されていたGMTマスターⅡですが、今ではその派手さがかっこいいと評価が変わってしまったなんて不思議ですね。

GMTマスターⅡには、その色調の見た目からいろいろなニックネームがあって有所で言うと

「赤青ベゼル」は、ペプシ。

炭酸飲料のペプシのロゴマークのカラーに因んで付けられました。

「青黒ベゼル」は、バットマン。

バットマンのマントとスーツの色に因んでつけられました。またこの色合いで5連のジュビリーブレスはバトガールと呼ばれています。

「赤黒ベゼル」は、コーク。

ペプシの競合品であるコカ・コーラのカラーに因んでつけられました。

「緑黒ベゼルに左リューズ」は、スプライト。

炭酸飲料スプライトのグリーンカラーが由来です。

その他にも、「ルートビア」「ファットレディ」「ソフィア・ローレン」

などがあります。ニックネームを調べるだけでも楽しくなりますね。

勿論、ノーマルな黒ベゼルも、スポーティーながら落ち着いた雰囲気もあって、やはり高い人気があります。

さて、皆さんおの好みは？

 

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