【K14PWG】のリング

お品物：石付きのリング

刻印：K14PWG、1.00

付属品：なし

今回ご紹介するリングはパッと見は普通のリング。

まず手に取ってすぐに分かる情報もいたってシンプルなもの。

オパールのようなイエローがかった石が据えられていて、内側の刻印は”1.00″と”K14PWG”の2種類のみ。ブランドマークなどの刻印が無いので、ノーブランドのジュエリーのようです。

【1.00】の刻印は石のカラット数を示しているものなので、リングの素材自体には関係が無いと思われます。

鑑別書の無いお品物なので、査定府スタッフは今目の前にある情報を頼りにお査定していかなければなりません。

となれば今回重要となってくるのがこのリングが何の素材の、どれくらいの純度(品位)のもので作られているのかという点なのですが…【K14PWG】？…なんだこの刻印は？見たことがないぞ…？

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この刻印の意味はなんだろう？

さてスタッフを困らせた【K14PWG】という刻印。

この刻印をパッと見て「あ、14金のホワイトゴールドという意味かな？」と思う方はきっと多いはず。ですが通常であれば14金ホワイトゴールド製の製品に印されているのは【K14WG】という刻印のはず。このリングの刻印は、ちょうど真ん中の部分に余分な「P」の一文字が入っています…

K14「P」WGのPってなんのP？

貴金属の刻印で「P」がつくものといえばいくつか思い当たるものがありますが、改めてどういうものに、どういう意味でついているのか一つずつ確認していこうと思います。

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①プラチナ製のもの

プラチナ(Platinum)で作られたアクセサリーなどには素材がプラチナであることを示す「Pt」と、その純度を示す数字が後ろについた【Pt900】や【Pt850】といった刻印が印されています。

また作られたのがかなり昔の古いものには【Pm】という刻印がついていることがありますが、こちらもプラチナ製のものになります。

ただ【Pt】刻印よりも純度が曖昧なことが多いため、買取時の素材としての価値は【Pt】刻印の製品と比べると低くなる可能性があります。

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②ピンクゴールド製のもの

主にアクセサリーに使用されている金製品の刻印に【K18PG】と記されているものがあります。

こちらは「K18 Pink Gold」の略でピンクゴールドはその名の通り、通常の金よりもカラーがほのかにピンクがかっているのが特徴です。ちなみにこのピンクの色味は割り金に銅を多く使用することで出ています。

あたたかみのある色で特に女性に人気のため、女性向けの繊細なデザインのジュエリーなどで多く見かけることが多いですね。

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③パラジウム製のもの

パラジウム(Palladium)とはプラチナに似た白い色味と輝きを持つ貴金属で、ジュエリーなどの装飾品以外にも、医療分野や工業分野などにも使用されている希少性の高いレアメタルです。

装飾品の素材として使用する際は、単体では強度の低いプラチナの割り金としてパラジウムを合わせることで製品の強度を確保することが多いようです。

もちろんプラチナ以外にもホワイトゴールドやシルバーの製品の割り金にも使用されています。
刻印は頭文字の【Pd】で印されます。

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④メッキ製品のもの

アクセサリーの中にはステンレスやニッケル、真鍮などの金属の表面に薄～く貴金属の膜をコーティングした「メッキ」製品があります。

主となる素材が貴金属ではなく、また表面の貴金属の膜も厚さ約0.17～0.20μ(ミクロン)と極めて薄いため、貴金属としての価値はほとんど無いものになります。

そんなメッキの刻印は何種類かあるのですが、当店で一番よく見かけるのは【24KGP】という刻印です。これは金メッキの英語表記「Gold Plated」を略したもの。

この刻印は勤続記念や敬老の記念で市町村や職場から貰った金杯についていることが多く、「家を片付けていたら金色の杯が出てきた！もしかして金で出来ているのかな！？」と期待を胸にお持ちくださる方がたくさんいらっしゃるのですが、残念ながら金としてのお買取りは難しく、雑貨品としてお買取りさせていただく形になります。

金メッキの刻印で似たものだと【18KRGP】というものもあるようです。

こちらは「Rolled Gold Plate」の略で5ミクロン以上の厚みをもつメッキ製品に刻印されているようですが、残念ながら私は実物を見たことはありません。

またメッキ製品の種類は金メッキ以外にもありますが、どれも素材を示す英字の後ろに【P】がついているものが多いです。

例えはプラチナメッキなら「Platinum Plated」を略して【PTP】や【PP】。

少し珍しいものだとロジウムメッキのものなら「Rhodium Plated」を略して【RH.P】や、電気ロジウムメッキを示す「Electro Rhodium Plated」の頭文字をとって【ERP】と刻むものもあるようです。

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⑤合金製のもの

当店では見かけない珍しいもので、アルファベット3文字だけの【SPM】【PWS】【PWG】という刻印もあり、これらは製品が合金製であることを示しているようです。

【SPM】はサンプラチナ(Sun Platinum Metal)の略で、名前にこそプラチナが入っていますが実はプラチナは含んでおらず、クロムやニッケルを合わせて作られた合金。

【PWS】や【PWG】の「PW」はピューター(Pewter)の略で、日本語で言うと白目(しろめ)のこと。ピューターは主成分が錫で、そこに銅や鉛や銀、ビスマス、アンチモンを少量加えてできている合金です。

そしてこれらは全て貴金属ではありません。

【PWG】がスペルの並びも同じだったので答えにたどり着いたか！？と期待しましたが、これらはあくまでもそれ単体で独立した刻印のようなので、【K14PWG】との関係は低そうです。

あとは上記以外のものですと、以前当ホームページで紹介した【PS刻印】もあります。

こちらはぜひリンク先のページにて詳細をご確認ください！

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真相はいかに

ここまで確認して「P」がつく刻印のものは、”素材が貴金属ではない”ものにもたくさんついているということが分かりました。

ということは、このリングも④のようなK14WGのメッキ製ということになるのでしょうか？

少なくともリング本体は銀色なので、ピンクゴールド系の刻印ではないはずです。

頭を抱えながらネットで調べてみましたが、なかなか的を射た答えが見つかりません。

なので最終手段で、貴金属に詳しい専門業者さんに聞いてみました！

その方によると、この「K14PWG」という刻印は「素材にK14WGとプラチナが使われている」という意味とのこと！「P」はプラチナの「P」だったんですね！

念のためパラジウムの刻印である可能性はないのかも聞いてみましたが、「パラジウムは基本割り金として入っているものなので、あえてわざわざ刻印を入れたりはしないと思います。それよりはプラチナも入っていることを示している可能性の方が高いと思いますよ」とのことでした。

世にある全ての「K14PWG」刻印のものがプラチナを含むものとは断言できませんが、「メッキではないものもある」ということが分かっただけでも、私たちにとってはプラス情報となりました！

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