イタリアのハイブランドの1つである『PRADA』。私としてはその名を聞くとハリウッド映画の「プラダを着た悪魔」が思い出されます。アン・ハサウェイ、エミリー・ブラントそして大御所メリル・ストリープの織り成す人間模様は痛快で、キャスト達が着こなすプラダの衣装も見ものでした。

今回は『PRADA』の歴史や人気の理由にについてご紹介します。

プラダ誕生

マリオとマルティーノのプラダ兄弟が1913年にイタリアのミラノに出店した「フラテッリ・プラダ」という革製品専門店がその始まりです。

二人は世界を旅し、ワニや蛇と言った爬虫類から象やセイウチに至る迄、革の素材を集めてバッグや革小物を作り販売していました。

さらにマリオは当時あまり実用的ではなかった旅行鞄に着目し、軽量で防水性を高めた旅行用のバッグを開発して世界中のセレブから注目を浴びました。

プラダの低迷

その後順調に事業は拡大していたのですが2つの大戦が原因となり経営不振に陥ってしまいました。

爆撃や資金不足によって店を失い、追い打ちをかけるように弟のマルティーノは兄のもとを去ってしまいます。マリオの跡を継いだ2人の娘がブランドターゲットを上流階級だけではなく、中流階級も取込むなど、多くの事を試みましたがブランド人気の低下に歯止めが掛かりませんでした。

ミウッチャ・プラダの功績

そんなプラダの救世主となったのは「マリオ」の孫娘である「ミウッチャ・プラダ」です。彼女が、そののち夫となる「パトリツィオ・ベルテッリ」と出会ったことが「プラダ」の運命を大きく変えていきました。

パトリツィオはビジネスに有能で、革製品の製造会社を持っていたのですが、そこで作っていたのはなんと「プラダの偽造品」。しかしそれはプラダを知り尽くしている事の裏返しで、その知識を名門復活の為に注ぎ込みます。彼は経営と資金という大きな2つの柱を確かなものにしてプラダを支えることに成功しました。

ミウッチャは経営者とデザイナーという2つの分野において、優れたアイディアマンで多くのアイテムを生み出し高級ブランド復活を実現させます。

彼女が生み出したプラダの3大ブランドは「ポコノ」「サフィアーノ」「カナパ」。あっ知ってると思われた方も多いことでしょう。まさにプラダの定番と言えるシリーズですからね。

ポコノ

光沢あるナイロン生地に逆三角のブランドマーク。名前は知らなくても見たことある方は絶対多いはず。低迷していたブランド復活の大きなきっかけとなったシリーズです。

ポコノはテントやパラシュートと言ったミリタリー用品に使用されていたナイロン素材の事です。軽量で丈夫、加えて滑らかな手触りなのですが、素材に対する社内の猛反対が彼女を待っていました。

しかし彼女は新しいもの、革新的なものを諦めずにこれを製作して大ヒットに繋げました。

ちなみに2019年からECONYL（R)という素材を使用していて、これは海で回収したプラスチック、繊維の廃棄物、さらには漁網などの再利用で作る永久にリサイクル可能である繊維の事です。

サフィアーノ

正式な名前は「サフィアノメタルオロ」と言って、牛革に型押し加工がされた物を指しています。型押しによって、表面に傷や汚れが付きにくくなる特徴があります。

カナパ

カジュアルなトートバッグシリーズです。ほんのわずかに伸縮性があり、実用性に優れています。ブランドの中ではリーズナブルかつ普段使いしやすいと言ったデザインです。若い女性層に特に人気があります。

セカンドライン

セカンドラインと言うのは高級ブランドが姉妹ブランドとして手掛けるもので、安価で若者がターゲットとなることが多いそうです。そして彼女もそれを立ち上げます。

『Miu Miu』(ミュウミュウ)。

ミウッチャが誕生させたプラダの女性向けブランドです。彼女はこのセカンドラインでプラダの持つ、大人っぽさとシックなイメージとは全く違った路線を展開していきます。

可愛らしさとガーリーな印象は若い女性世代の支持を集めて創立後すぐ人気ブランドの仲間入りを果たしました。

ちなみにMiu Miuは彼女の小さい時の呼び名で、それが由来となっているそうです。

最後に

いかがでしたでしょうか？

本日はプラダの歴史についてお話させて頂きました。