ヴェルサーチについて

ヴェルサーチの創業者であるジャンニ・ヴェルサーチは1946年にイタリアで生まれ、

母親の経営するブティックでファッションを学び、1973年にデザイナーと

なりました

マリオ・ヴァレンティノやコンプリーチェといったブランド経験を経て1978年に

家族の協力のもとに自身の会社を立ち上げました

彼の兄のサントが社長に、妹のドナテラが副社長となりました

ドナテラは特に、創作面におけるジャンニの視野を更に広げる役割を担い、さしずめ

会社にとって、重要なコンサルタントのようなものでした

それにジャンニはドナテラの夫であり、元モデルのポール・ベックをメンズウェアの

ディレクターとして雇い入れたのです

会社を立ち上げたタイミングでレディース・メンズ共にファーストコレクションを

発表し、その評価の高さからミラノに1号店をオープンしました

バブル期の大流行

80年・90年代には、ブランドの最も著名なアイコンの一つである鮮やかなプリントの

生地が次々に生み出されました

ゴージャスな雰囲気が受け、バブル期のイタリアブランドをアルマーニと共に

牽引していました

ブランドのアイコンであるメドゥーサのゴールドアクセサリーやロゴシャツやスーツ等、

ギラギラした雰囲気はバブル期にふさわしく、ヴェルサーチは日本のバブル期の

イタリアブランドの象徴的存在であったと言えます

ヴェルサーチ氏の突然の死

1997年に悲劇的な事件が起こりました

創業者であるジャンニ・ヴェルサーチが射殺され急逝したのです

飛ぶ鳥を落とす勢いで邁進していた最中の悲劇でした

彼の会社の価値は807万ドルに達し、世界中に130の店舗を有するまでの規模に

成長していました

ジャンニの死後は、彼の妹であるドナテラがヘッドデザイナーとして運営しました

ブランド名は彼の名を冠したジャンニ・ヴェルサーチからヴェルサーチへと名前を

変えました

メドゥーサとは

メドゥーサとはギリシア神話に登場する怪物で、ゴルゴーン3姉妹の1人であり、

名前は女王を意味しています

元々美少女であったメドゥーサは、海神ポセイドーンとアテーナーの神殿の一つで

交わったために、アテナの怒りかい、醜い怪物にされてしまったのです

自分の髪を自慢としていたため、アテナと美を競って、その髪を蛇に変えられたとも

言われております

ヴェルサーチはなぜ、恐ろしい怪物をブランドのアイコンにしたのでしょうか

その答えは、メドゥーサ＝ヴェルサーチのビジョンということです

メドゥーサが表現しているのは、伝統と古典的雰囲気に対するヴェルサーチの

愛着なのです

ジャンニ・ヴェルサーチには輝き・独創性・スタイルで観客を驚かせたいという

強い思いがあり、その象徴がメドゥーサなのです

古典的なスタイルを現代的に解釈して、観客を驚かせることは驚きと美しさが

同居する、メドゥーサのイメージそのものなのです