ダイヤモンドを知ろう！

ダイヤモンドは、その美しい輝きと永遠の象徴として多くの人々を魅了してきました。婚約指輪や特別なプレゼントとして選ばれることが多いですが、その価値や選び方を正しく理解していただくために、ダイヤモンドの基礎知識などを紹介いたします。

ダイヤモンドの性質

ダイヤモンドが炭素からできていることは、1976年にテナント氏がダイヤモンドを燃やして、ダイヤモンドがグラファイトもしくは炭素から出来ていることを発見しました。

現在では炭素からの合成のダイヤモンドも製造されています。

炭素の結晶であるダイヤモンド

■ダイヤモンドの結晶の性質

ダイヤモンドの結晶は三方向の結晶軸の長さが等しく、軸同士は互いに直角に交わっています。

炭素の結晶からなるダイヤモンドですが、それがすべての物質のうちで最も固いのは、結晶内部の炭素原子が密集して配列し、しかもその相互の結合が非常に強固なため（共有結合）だからです。

■ダイヤモンドの結晶系

ダイヤモンドの原石は、その結晶系が理想的な形状（八面体結晶）であることは少なく、結晶面が歪んだり変形したものが多いですが、整理分類してみるとほとんどが三種類の基本となる結晶の組み合わせでできていることが分かります。

六面体結晶（キュービック）

八面体結晶（オクタヘドロン)

十二面体結晶（ドデカヘドロン）

ダイヤモンドの物理的性質

■硬度

ダイヤモンドはモース硬度（鉱物の硬さの尺度のひとつ）とヌープ硬度（材料の硬さを表す尺度のひとつ）によって比類のない硬さであることがわかっています。

ダイヤモンドは長時間の研磨に耐え、よく磨くことで平らで滑らかなカット面が得られます。また一度得られた平滑な面はキズがつきにくいと言えます。

ダイヤモンドの輝きは十分に磨いた後に初めて発揮されるのです。

■靭性

靭性（粘り強さ、割れ難さ）はたかいわけではないので、例えばハンマーなどで衝撃を与えれば粉々に割れてしまいます。

■劈開性(結晶や鉱物、岩石が特定の方向に割れやすい性質）

ダイヤモンドの結晶の劈開性ははっきりしていて、八面体結晶の平行な４方向に完全で、これを使いダイア原石を分割します。

■比重

ダイヤモンドの比重は3.52です。

ダイヤモンドの光学的性質

透明が基本です。

■光学特性

結晶が等軸晶系に属するので光学的等方性を持ちます。ですから、多色性はありません。

■屈折率

ダイヤモンドの屈折率はｎ2.417であり、これは同じ無色の類似石の中では非常に高い屈折率で、ダイヤモンドの輝きのもととなっています。

■分散度

白色光線が屈折されたときに各々の波長の差によって7色の虹に分かれることは知られています。この虹色をファイアと呼びます。

分散度0.004のダイヤモンドのファイアは明瞭でダイヤモンドの輝きに色を添えています。

■光沢

ダイヤモンドは光の反射率が高く、ダイヤモンド光沢と呼ばれ、特有の強い光沢を放ちます。

■蛍光性

長波、短波とも各色の蛍光がある場合が多く、一般的に多いのは青から濃い紫です。主に鑑定では長波が利用されます。

■X線

X線に対して透過性があります。他のほとんどの宝石やダイヤモンドの代用石がX線の透過性を持たないので、X線は石の判別や鑑定に利用されます。

ダイヤモンドのその他の特性

■親油性

親油性があるので、ダイヤモンド原石の選別の際にその性質が使われます。

■熱伝導性

熱伝導性が良く、中でもTypeⅡは非常に良い熱伝導性があり、この性質を利用してダイヤモンド・テスターが開発されています。

まとめ

ここまで、ダイヤモンドを知ろうというテーマで書いてきましたが、ダイヤモンドの性質を理解することで、その美しさや価値がどのように生まれるのかが見えてきます。

実際にダイヤモンドを選ぶ際、自分にとって最適なダイヤモンドをみつける手助けとなることでしょう。