エルメスのバッグはなぜ特別なのか?名称の由来・誕生背景から分かる本当の価値
- 名称に意味がある
- 誕生に明確な背景がある
- 形・構造全てに必然性がある
まさに「使うために生まれ、芸術品へ昇華した工芸品」です。
本記事では、エルメスを代表するバッグを中心に、名前の由来・誕生背景など解説していきます。
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エルメスというブランドの成り立ち
エルメスは1837年、フランス・パリで高級馬具工房として創業しました。
当時の顧客はヨーロッパの王侯貴族。
評価されたのは一貫して、
- 重量に耐える構造
- 極めて高い革の耐久性
- 無駄を削ぎ落した合理的なフォルム
この馬具づくりの思想こそが、現在のエルメスバッグ全ての原点です。
代表的なバッグ
バーキン

エルメスが1984年に発表したハンドバッグで、現在も職人の手作業によって少量生産され続けているエルメスの象徴的モデルです。
- 名称の由来
イギリス出身の女優・歌手、ジェーン・バーキンの名に由来。
1984年、ジェーン・バーキンが飛行機内でエルメスのジャン・ルイ・デュマと隣席になり、バッグの中身がこぼれ落ちる様子を見たデュマが「ポケット付きのものを持ったらどうですか」と言い、バーキンが「エルメスがポケット付きのバッグを作ってくれたら」と語ったことがきっかけ。
- 誕生の背景・歴史
当時の女性用バッグは小さく、装飾性が重視され、実用性が低いものが主流でした。
そこに登場したバーキンは、大容量、フラップ+ベルトでしっかり閉まる、丈夫で長く使えるという真逆の思想を持つバッグでした。
オータクロアがモデル。オータクロアの機能性を、現代的に再設計した完成形。
- 特徴
圧倒的な収納力
書類・財布・ポーチ・ペットボトルまで入る設計。
高い耐久性
馬具工房由来の構造で、重さに耐える設計。
シンプルで完成された形
流行に左右されず、何十年経っても古くならない。
素材バリエーションが豊富
トゴ、トリヨンクレマンス、エプソン、クロコダイルなど。
- バーキンの価値が落ちにくい理由
生産数が極端に少ない・職人1人が最初から最後まで制作・正規店で自由に買えない・中古相場の需要が常に高い
結果として新品定価より中古価格が高いケースの珍しくありません。
👉実用性から生まれた究極のアイコンバッグ!!
ケリー

エルメスを代表するバッグのひとつで、優雅さ・構築美・フォーマル性を極限まで高めたモデルです。
- 名称の由来
ハリウッド女優からモナコ王妃となったグリース・ケリーに由来。
元々「サック・ア・クロア」という名前でした。
モナコ王妃に在位された際に、パパラッチから妊娠しているお腹を隠したときに持っていたバッグがサック・ア・クロアでした。
その時の写真が話題となり、1977年正式にケリーへ改名しました。
- 誕生の背景・歴史
1930年代に「サック・ア・クロア」として誕生。
上流階級の女性向けにエレガントなバッグとして設計されたモデルです。
- 特徴
台形フォルム
上が狭く、下が広い構築的シルエット
持った時の姿勢が美しく見える
フラップ+ベルト+カデナ
完全に閉じる構造
防犯性・格式の象徴
ハンドバッグ中心
基本は手持ち
ショルダーストラップ付きモデルの存在
- バーキンとの違い
方向性|バーキン:実用性・カジュアル ケリー:フォーマル・気品
開閉 |バーキン:開けたままも可 ケリー:フラップ必須
象徴 |バーキン:ラフ・自由 ケリー:上品、エレガント
原型 |バーキン:オータクロア ケリー:女性用バッグ
➡バーキンは実用性、ケリーは格式
- なぜケリーは時代を超えて評価されるのか
流行に左右されない完成されたフォルム・女性の所作まで美しく見せる設計・フォーマルシーンで代替えが存在しない・中古相場でも価格が落ちにくい
👉バッグでありながら、身にまとう礼装
ボリード

世界で初めてファスナー(ジッパー)を採用したバッグとして知られています。
- 名前の由来
当初は「サック・プール・オート」「ブガッティ」などの名前で呼ばれていました。
その後、1990年代に正式名称がボリードになりました。
「Bolide(ボリード)」はフランス語で
流星・レーシングカー
という意味があります。
車のスピード・ファスナーで素早く開閉できる機能
この2つのイメージから名付けられました。
- 誕生の背景・歴史
1920年代、移動手段が馬車→自動車へと変わり始めた時代でした。当時のバッグは、ベルト式・金具で留める構造だったため、車で移動すると荷物が飛び出してしまう問題がありました。
そこでエルメスは、ファスナーで完全に閉じるバッグを開発しました。
- 特徴
世界初のファスナーバッグ
1923年にエルメスがジッパーをバッグに初めて採用しました。
現在は当たり前の構造ですが、当時は非常に革新的でした。
丸みのあるフォルム
ボリードは上部が丸いドーム型・横長のシルエットという特徴があります。
この形は車のトランクに入れやすい設計として作られました。
シンプルで実用性が高い
大きく開くファスナー・収納力・持ちやすいハンドルなど、旅行や日常使いに適した設計になっています。
ボリードはエルメスの技術革新を象徴するバッグです。
ガーデンパーティ

シンプルで実用性の高い、エルメスの人気トートバッグです。
エルメスのバッグの中でも特に実用性が高く、日常使いしやすいトートバッグとして人気のモデルです。
- 名前の由来
ガーデンパーティという名前は、庭園での集まりや屋外のパーティーを意味する言葉です。
もともとこのバッグは、
- 園芸用品
- ガーデニング道具
- ピクニック用品
などを持ち運ぶための実用的なトートバッグとして作られました。
そのため、エルメスのバッグの中でも特にカジュアルで気軽に使えるモデルとされています。
- 誕生の背景・歴史
エルメスは1837年に馬具工房として創業し、丈夫で機能的な製品づくりを得意としてきました。
その思想はバッグにも受け継がれており、ガーデンパーティも丈夫・収納力が高い・使いやすいという実用性を重視した設計になっています。
- 特徴
トート型のシンプルなデザイン
ガーデンパーティはフラップなし・大きく開く開口部・無駄のないシンプルなデザインが特徴です。
そのため、買い物や通勤、旅行など幅広いシーンで使えます。
大容量で収納力が高い
荷物が多い人でも使いやすいバッグです。
財布・ポーチ・書類などをまとめて収納することができます。
丈夫な素材
主に使われる素材がネコンダ(牛革)トワルアッシュ(キャンバス)など。
特にネコンダは傷が目立ちにくく耐久性が高い革として人気があります。
ガーデンパーティの魅力
人気の理由は
・エルメスらしい上品さ
・シンプルなデザイン
・高い実用性
のバランスが優れている点です。
バーキンやケリーが「特別なバッグ」ならガーデンパーティは
毎日使えるエルメスバッグと言えます。
エヴリン

エルメスが展開するショルダー/クロスボディバッグです。
カジュアルで実用性が高いモデルとして人気があります。
- 誕生の背景と名前の由来
エヴリンは最初からファッションバッグではありませんでした。
1978年、乗馬部門の責任者「エヴリン・ベルトラン」が馬用ブラシや手入れ道具を入れる実用的なバッグが必要とデザインしました。
このバッグは社内で評価され、彼女の名前をとって「エヴリン」と名付けられました。
- 特徴
パンチングの「H」
エヴリンの最大の特徴は穴で作られた「Hロゴ」です。
最初はデザインではなく道具を乾かすための通気口として作られました。
当初は「H」を体側に向けて待つのが正しい使い方でした。
現在は外側に「H」を見せて持つのが一般的です。
シンプル構造
エヴリンは非常にシンプルです。
・内側ライニング無し・フラップなし・レザータブのみの留め具
これは、軽量で実用的にするためです。
よく使われる素材
トリヨンクレマンス、エプソン、モーリス、ヴァッシュハンター
柔らかい革が多くカジュアルな雰囲気が特徴です。
👉エヴリンも日常使いしやすいエルメスとして人気があります。
ピコタン

馬の餌袋がモチーフとなった、シンプルで可愛らしいエルメスの人気バッグです。
コロンとしたフォルムとシンプルなデザインが特徴のバケツ型ハンドバッグです。
- 名前の由来
「Picotin(ピコタン)」とはフランス語で馬に与えるエサの量(一回分の飼料)を意味する言葉です。
ピコタンは馬の餌袋がデザインのモチーフとなった、馬具文化から名前が付けられたバッグになりおます。
- 誕生の背景・歴史
2002年頃に発表された比較的新しいバッグです。
初代ピコタンは南京錠が付いていないシンプル使用でした。
その後デザインがアップデートされ現在主流のモデルであるピコタンロックが登場しました。
- 特徴
バケツ型フォルム
ピコタンは、底が丸い・上が大きく開くバケツ型デザインです。
この形が、可愛らしい・荷物を入れやすいという理由で人気があります。
非常にシンプルな構造
ピコタンはエルメスの中でも非常にシンプルな構造です。
フラップなし・内ポケットなし・開口部が広い
そのため気軽に使えるバッグとして人気があります。
カデナ
ピコタンにはカデナ(南京錠)が付いています。
エルメスバッグの象徴的な金具です。
よく使われる革
トリヨンクレマンス・トリヨンモーリス
柔らかく使うほどに馴染む革が使われていることが多いです。
👉ピコタンは、サイズ展開も豊富で、エルメスバッグの中でも比較的価格が低いこともあり初めてのエルメスバッグとして購入する人も多いモデルです。
まとめ
- バーキンは実用性から生まれた究極のハンドバッグ
- ケリーは女性の気品を象徴するフォーマルバッグ
- ボリードは時代の変化から生まれた技術革新のバッグ
- ガーデンパーティは日常使いを追求した実用バッグ
- エヴリンは馬具文化から生まれたショルダーバッグ
- ピコタンは馬の餌袋をモチーフにしたカジュアルバッグ
このようにエルメスのバッグは流行のために作られたものではなく、使うために生まれた道具でした。
そしてその道具は職人の技術と長い歴史の中で磨かれ続け、世界で愛される芸術的な工芸品へと昇華していったのです。
だからこそエルメスのバッグは何十年経っても価値が落ちにくく、世代を超えて受け継がれる存在となっています。
エルメスのバッグは「歴史・機能・美しさ」が融合した特別なプロダクトと言えるでしょう。
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