【ROLEX】ロレックス GMTマスターとは?歴史・ベゼルカラー・現行モデルRef.126710BLROについて解説
ロレックスのスポーツモデルの中でも、ひときわ個性的な存在感を放つ「GMTマスター」
赤×青や青×黒など、特徴的な2色のベゼルを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
しかし、GMTマスターは単にカラフルなベゼルが魅力の時計ではありません。
1950年代、航空業界の発展とともに誕生したGMTマスターは、世界中を飛び回るパイロットのための実用時計として開発され、その後「GMTマスターⅡ」へ進化しました。
現在では、優れた実用性と長い歴史、そして象徴的なデザインを兼ね備えたロレックスを代表するモデルのひとつとなっています。
この記事では、GMTマスターがなぜ誕生したのか、なぜベゼルが2色なのか、GMTマスターⅡでは何が変わったのか、そして現行モデルはどのような性能が備わっているのかを順番に解説します。
GMTマスターとは?

GMTマスターは、異なるタイムゾーンの時刻を確認するために開発されたロレックスのパイロットモデルです。
「GMT」は「Greenwich Mean Time(グリニッジ標準時)」を意味します。
現在ではUTC(協定世界時)が世界標準の基準となっていますが、時計の世界では現在も「GMT」という言葉が広く使われています。
航空業界の発展から生まれたGMTマスター
GMTマスターが誕生したのは1950年代です。
当時はジェット旅客機が急速に普及し、大陸間を飛行機で移動することが一般的になり始めた時代でした。
そこで問題となったのが「時差」です。
例えばニューヨークからロンドンへ飛行するパイロットの場合、現在地の時間だけでなく、出発地や基準となる時間も同時に把握できると便利です。
そこでロレックスは、通常の12時間表記に加えて24時間表示を組み合わせ、2つのタイムゾーンを同時に確認できる時計を開発しました。
それがGMTマスターです。
1955年に登場した初代GMTマスター「Ref.6542」は、パン・アメリカン航空のパイロットや乗務員にも使用されました。
つまりGMTマスターは、最初から単なる高級時計として作られたのではなく、国際線を飛び回る人々のための実用的なツールウォッチとして誕生したのです。
GMTマスターの歴史
GMTマスターの歴史を知るには、歴代のRef.(リファレンス)を追っていくと分かりやすいでしょう。
Ref.6542
1955年に登場した初代GMTマスター
現在のGMTマスターにも受け継がれている、
- GMT針
- 24時間表示
- 回転ベゼル
- 2色のベゼル
という基本スタイルが、この時点ですでに完成しています。
特に有名なのが、赤×青のベゼルです。
また、初期のRef.6542ではベークライト製のベゼルインサートが採用されていました。
現在のセラミックベゼルとは異なり、経年による変化も大きく、ヴィンテージロレックスならではの魅力を持っています。
Ref.1675
続いて登場したのがRef.1675
GMTマスターの歴史の中でも特に有名なモデルで、長期間にわたって製造されました。
Ref.1675では年代によって文字盤や針、ベゼルなど様々な仕様変更が行われています。
例えば、
- ミラーダイヤル
- マットダイヤル
- トリチウム夜光
- ベゼルインサートの違い
- GMT針の仕様
など、同じRef.1675でも製造時期によって細かな違いがあります。
この「同じ型番でも年代によって仕様が違う」という点は、ヴィンテージGMTマスターの大きな魅力です。
Ref.16750
1980年頃から登場したRef.16750
ムーブメントにはCal.3075を搭載し、GMTマスターとして初めて28,800振動/時のハイビート化が行われました。
また、製造期間中に文字盤がマットタイプからフチありタイプへ移行するなど、過渡期ならではの特徴もあります。
Ref.16700
1980年代後半に登場したRef.16700
このモデルはGMTマスターの歴史を語るうえで非常に重要です。
なぜなら、Ref.16700が「最後のGMTマスター」だからです。
この後、GMTマスターはGMTマスターⅡへと完全に移行していきます。
GMTマスターからGMTマスターⅡへ
GMTマスターがGMTマスターⅡへ進化した最大のポイントは、時針を独立して動かせるようになったことです。
1982年に登場した初代GMTマスターⅡがRef.16760です。
GMTマスターでは、時刻を調整すると通常の時針とGMT針が連動して動く仕組みでした。
一方、GMTマスターⅡでは通常の時針を1時間単位で独立して動かせるようになりました。
これによって、海外旅行などで現地時間に合わせる際、
GMT針=ホームタイム
を維持したまま、
通常の時針=現地時間
だけを変更できるようになりました。
さらに24時間ベゼルを組み合わせれば、もう一つのタイムゾーンを確認することもできます。
つまりGMTマスターⅡは、GMTマスターの基本コンセプトを受け継ぎながら、複数のタイムゾーンをより実用的に扱える時計へ進化したモデルなのです。
なお、初代GMTマスターⅡのRef.16760は、厚みのあるケースから「ファットレディ」という愛称でも知られています。
その後、
16760→16710→116710→126710
と進化し、現在のGMTマスターⅡへとつながっています。
ベゼルカラーと、なぜ2色なのか?
GMTマスターといえば、やはり特徴的なベゼルカラーを思い浮かべる方が多いでしょう。
「ペプシ」「コーク」「バットマン」など、さまざまな愛称が存在することもGMTマスターならではの特徴です。
しかし、この2色のベゼルには単なるデザイン以上の意味があります。
2色の理由は「昼と夜を区別するため」
GMTマスターのベゼルは24時間表示になっています。
GMT針も24時間で1周するため、ベゼルを使って24時間を読み取ります。
そこで、24時間を直感的に把握しやすくするために、昼と夜を色で区別できる2色のベゼルが採用されました。
つまり赤×青のベゼルは、
「GMTマスターらしいデザイン」
であると同時に、
「GMT機能を分かりやすくするための機能的なデザイン」でもあるのです。
代表的なカラー

現行GMTマスターⅡ「Ref.126710」の性能
1955年に誕生したGMTマスターは、70年以上にわたって進化を続けてきました。
その最新世代を代表するモデルのひとつが、Ref.126710です。
Ref.126710には、赤×青のベゼルを持つRef.126710BLRO(ペプシ)と、青×黒のベゼルを持つRef.126710BLNR(バットマン)があります。
どちらもオイスタースチール製の40mmケースに、ロレックス自社製のCal.3285を搭載しています。
初代から受け継がれてきたGMT機能や24時間ベゼルはそのままに、現代のロレックスらしい高い精度、耐久性、操作性を備えているのがRef.126710の特徴です。
Ref.126710の主なスペック
| ケースサイズ | 40mm |
|---|---|
| ケース素材 | オイスタースチール |
| ムーブメント | Cal.3285 |
| 駆動方式 | 自動巻き |
| パワーリザーブ | 約70時間 |
| GMT機能 | 2つのタイムゾーンを同時表示 |
| 第3タイムゾーン | 24時間ベゼル操作で読み取り可能 |
| 時針 | 独立調整可能 |
| ベゼル | 両方向回転式24時間ベゼル |
| ベゼル素材 | セラクロム |
| ブレスレット | ジュビリー/オイスター |
| 風防 | 傷防止サファイアクリスタル |
| 防水性能 | 100m |
| 日付表示 | あり |
| 日付拡大 | サイクロップレンズ |
| 精度 | 日差-2~+2秒(ケーシング後) |
| 代表的なカラー | 126710BLRO(ペプシ) 126710BLNR(バットマン) |
約70時間のパワーリザーブ
Ref.126710に搭載されているCal.3285は、約70時間のパワーリザーブを備えています。
例えば、金曜日の夜に時計を外して週末に使用しなかった場合でも、月曜日まで動き続けることが期待できる長さです。
複数の時計を使い分ける場合にも便利な機能と言えるでしょう。
Cal.3285はロレックスが完全自社開発・製造するムーブメントで、クロナジーエスケープメントやブルーパラクロム・ヘアスプリング、パラフレックス・ショック・アブソーバなどを採用しています。
GMT機能
GMT針は24時間で1周し、ホームタイムなどの基準となる時間を表示します。
一方、通常の時針は独立して調整できるため、海外へ移動した際にはGMT針を動かさず、現地時間だけを変更することができます。
例えば、日本からロンドンへ移動した場合、
GMT針→日本時間(ホームタイム)
通常の時針→ロンドン時間(現地時間)
というように設定できます。
ロレックス公式でも、Ref.126710は「第2タイムゾーン時刻表示」と「時針の独立操作による素早い時刻設定」を備えているとされています。
「3つのタイムゾーン」に対応できる?
GMTマスターⅡについて調べると、「3つのタイムゾーンを表示できる」という説明を目にすることがあります。
ここは少し注意が必要です。
GMTマスターⅡが3つの時間を同時に表示するわけではありません。
GMTマスターⅡは、通常の針とGMT針によって2つのタイムゾーンを同時に表示できます。
さらに24時間ベゼルを回転させることで、GMT針を基準に第3のタイムゾーンを読み取ることも可能です。
ただし、3つの時間をそれぞれ専用の針で常時表示する仕組みではありません。
現行GMTマスターⅡの資産価値
現行GMTマスターⅡの中でも、特に高い人気を誇るのが、赤×青ベゼルのRef.126710BLRO、通称「ペプシ」です。
GMTマスターは1955年の誕生以来、ロレックスのプロフェッショナルモデルを代表する存在として長い歴史を築いてきました。その伝統的なデザインを受け継ぐ「ペプシ」は、現行モデルでありながら二次流通市場でも非常に高い人気を維持しています。
定価を大きく上回る市場価値
Ref.126710BLROは、正規店での入手が困難なモデルで、中古市場や並行輸入市場では定価を大きく上回る価格で取引される傾向があります。
現時点の市場情報を見ると、国内の中古市場では300万円台後半~500万円台半ば程度の価格で掲載されている個体が見られます。状態や年式、付属品の有無、ブレスレットの仕様などによって価格には大きな差が生じます。
また、買取相場についても、状態の良い個体では300万円台半ば~400万円台前半が目安として紹介されています。実際の査定額は、その時の為替や市場、時計の状態によって大きく変動します。
なぜ「ペプシ」は高い資産価値を維持しているのか?
Ref.126710BLROが高い人気を持つ理由は、
- GMTマスターを象徴する赤×青ベゼル
「ペプシ」と呼ばれる赤×青のベゼルは、初代GMTマスターから続く最も象徴的なデザインのひとつです。
Ref.6542やRef.1675など歴代のGMTマスターにも受け継がれてきたカラーリングであり、GMTマスターの歴史を感じさせるデザインであることが大きな魅力です。
- 現行モデルでありながら入手が難しい
ロレックスは、正規店で誰でも簡単に購入できるわけではありません。
特に人気の高いGMTマスターⅡ「ペプシ」は、需要に対して供給が限られることで、二次流通市場で高い価格が形成されやすいモデルです。
- 実用性とデザイン性を両立している
Ref.126710BLROは、単なるコレクターズアイテムではありません。
- 40mmという使いやすいケースサイズ
- 約70時間のパワーリザーブ
- 100m防水
- 第2タイムゾーン表示
- セラクロム製24時間ベゼル
など、現代の腕時計として十分な実用性を備えています。
さらに赤×青という特徴的なベゼルによって、スポーツウォッチでありながら強い個性も持っています。
GMTマスターⅡは「資産」になる時計なのか?
現行GMTマスターⅡは、ロレックスの中でも非常に高い市場価値を持つモデルのひとつです。
ただし、腕時計の相場は常に変動するため、今後も必ず価格が上がるという保証はありません。
為替、ロレックスの価格改定、生産状況、新作の発表、世界的な高級時計市場の動きなど、さまざまな要因によって市場価格は変化します。
そのため「必ずもうかる投資対象」と考えるよりも、
歴史的なデザイン、実用的なGMT機能、そして高い人気を兼ね備えた結果として、市場でも高い価値が認められている時計
と考えるのが、Ref.126710BLROの魅力を最も正確に表しているでしょう。
まとめ
GMTマスターは、1955年にパイロットのための腕時計として誕生しました。
24時間で1周するGMT針と24時間ベゼルによって、複数のタイムゾーンを確認できることが最大の特徴です。
1982年には、時針を独立して調整できるGMTマスターⅡが登場。現地時間とホームタイムをより便利に管理できるようになり、24時間ベゼルを組み合わせることで第3のタイムゾーンも読み取れるようになりました。
さらに「ペプシ」「コーク」「バットマン」など歴代モデルの個性豊かなベゼルカラーもGMTマスターの大きな魅力です。
現行のRef.126710では、約70時間のパワーリザーブやセラクロムベゼルなど、最新技術を搭載しながら、1955年から続くGMTマスターのデザインとコンセプトを受け継いでいます。
歴史・機能・デザインを知るほど奥深くなる。
それこそが、GMTマスターが70年以上にわたって多くの時計ファンを魅了し続けている理由と言えるでしょう。
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