ダミエの由来

数あるルイヴィトンのラインの中で、モノグラムと人気を二分しているのがダミエです。ダミエの登場はモノグラムよりも古く、ルイヴィトンのトランクが人気を博していたことで、コピー品が多く出回り、その対策として生まれたのがダミエでした。モノグラムと共に現在のルイヴィトンの二本柱となっています。実はこのダミエも、モノグラムと同様日本文化に影響を受けていると言われ、日本でおなじみの『市松模様』です。市松模様とは、格子柄の一種で二色の正方形(もしくは長方形)を交互に配置した柄のことを言います。そのルーツは古墳時代にまで遡ると言われており、古来より日常的に使われてきたデザインだと考えられます。その模様に『市松模様』という名前が使われるようになったのは、江戸時代の歌舞伎役者、初代『佐野革市松』がこの柄の着物を着て人気を博したことに始まったと言われています。最近では2021年の東京オリンピックのエンブレムが、市松模様の要素を取り入れていることで話題になりました。時代を超え受け入れられる市松模様『ダミエ』がルイヴィトンにとって永遠の定番となっているのは当然といえるかもしれません。

ダミエの種類

ダミエには色々な種類があり、ダークブラウンとモカベージュの二色からなる茶系の定番が、『ダミエ・エベヌ』エベヌとはフランス語で「黒壇」を意味しています。通常は単に『ダミエ』と呼ばれます。2000年に登場した『ダミエ・ヴェルニ』はモノグラム・ヴェルニと同様、エナメル加工を施したカーフスキンにダミエ柄を施したラインです。艶やかなチェッカーパターンは通常のダミエと異なる表情を見せてくれます。2006年に登場した『ダミエ・アズール』は「紺碧」を意味するイタリア語がその名前の由来です。イタリアの人気リゾート、リビエラの青い海と白い砂浜のコントラストをイメージして作られました。2008年には『グラフィット』が登場。シックなブラックとチャコールグレーの洗練されたコントラストで、大人の男性に高い人気を誇ります。2011年に発表されたアンフィニは、フランス語で『無限』を意味しています。カーフより厚手のトリヨンレザー(生後1年以内の雄の仔牛)にダミエ柄を型押しで表現したラインです。2014年～2015年秋冬コレクションで公開されたダミエ・コバルトは絶妙なブルーの色合いが、ダミエの新しい可能性を広げてくれるコレクションです。

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